760207 ランダム
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さしあたって ただの日記 \(●×●)\

東日本大震災復興を祈念する集い での言

 福島県会津坂下町より避難してまいりました〇〇と申します。
7月にこちらにまいってから、まず鳥取っていう所を知らなかったんですね。
鳥取砂丘ぐらいしかないと思ってたんで、
実際来てみて『鳥取砂丘もある』っていう状況の感じでした。
それで、あとそれから、痛切に感じたのは行政のお金の使い方が非常に上手であると。
福島に10年ばかり居りましたけれども、
その中で福島県が原発があることでお金がおりていたはずのものが、
どこに使われていたんだろうかと、非常に疑問に思う節がありまして、
それに比べると鳥取の場合は前知事の片山さんがテレビとかでお話しになさっていたように
『過疎であり、貧しい』というフレーズがとても印象に残っておりまして、じゃ、実際どうなんだとみてみたら、
至る所に先進的なものが見え隠れしているんですね。
私の目から見て、河川の護岸工事一つとっても、
ずいぶん、普通にこのコンクリートで固めればたしかに造成はできないんですけれども、
それがビオトープまで完成している。
1年2年じゃ出来ないはずなんですよ。
それが出来上がっているという状態。
お金をどこにかければ、どういうように効果が上がるのかっていう、
これは先を読む力がないと出来ないことだと思うのですけども、
鳥取ではすごくそれをひしひしと感じました。
すごいのは、それと同時に、古い原風景、日本の原風景と思われるものが至るところに残っている。
それは単にビジュアルだけでなく、人情、人と人との係わり合いみたいなもの、非常に感じると思います。
それは小さな小さなコミュニティの形成が非常にしっかりしているからだと思うんですけれども、
鳥取ってすごいなと思って、毎日そういう気分で過ごしております。
ちょっと鳥取に来た印象を軽く説明させていただいたけれども、
そろそろ46分になりますけども。


【危機管理局長】
 ありがとうございます。
それでは今お話しがありましたように、
東日本大震災による犠牲になられた方々の哀悼の意を表すための黙祷を奉げたいと思いますので、
皆様御起立をお願いいたします。
それでは黙祷。・・・・・
御協力ありがとうございました。
皆様お座りください。それではお話しの続きから、それとも。


お話したいことはいくつかございました。
ただ、それぞれ話をするととても長くなるので、
またの機会があればと思います。
それを一応項目だけ軽く申し上げさせていただければ、
先ず一点、私は原発の放射能を恐れての避難でしたので、
そこを主体に申し上げさせていただきたいと思います。
一つは移住・定住という形に拘らない交流のあり方、都市交流の在り方、
こちらを推進していただくための具体的な施策をつんでいただきたいということ。
それから、この度避難するにあたって、
避難する人としない人に分かれた元々の理由、
その中に教育というのが非常にあると思います。
まず、原子力ならびに放射能に対する知識・情報、その処理能力、
それを正確に把握して自分で判断できる能力を備えた人間が居なかったと私は判断しています。
それが国のトップクラスでもそうであり、
原子力安全委員会でもそうであり、
そこが非常にシビアなところだったと思います。
現実的に私なりにパニックの状況を肌で感じておりましたので、
どちらが正しいとは言いきれませんけども、
それを含めた上での防災の在り方、道路整備、避難経路、避難場所、
特に電気がやられてしまった場合の通信網のあり方ですね、
通信手段、それからコミュニティの連絡網等、
非常に細かな部分にわたってまで必要性を感じました。
そのときに地域ジャーナリストと呼ばれるような
本当に小さな小さなロジカルなジャーナリズムの存在を痛感いたしました。
それともう一点、ものづくり、
基本的にその『もの』が無くなってしまう状態に立ち返ると、
鳥取には日本民芸運動の基礎がありますよね。
吉田璋也先生がいらっしゃいますよね。
そういうことも含めて『ものをつくる』っていうことの根底、根幹から考え直して積み上げていくと、
これはまた鳥取の発展に繋がるんではないかと思っております。
最後になりますけれども、私たちは生きるために避難しました。
それは皆さんそれぞれに避難する背景・事情・段階、それぞれ異なります。
異なるがゆえに支援の在り方も時系列を追って違いが出てくると思います。
最初は緊急避難、その次は今度は自立するための支援、
そういったことで、二段階、三段階に亘っての支援の在り方を考えていっていただけるといいなと思っています。
『活きるため』、生き物の『生きる』ではなくて
私たちが避難した経験・体験を行政のほうで活かしていただきたい。
生活の『活』のほうですね。『生』ではなくて。
行政の方で私たちの体験を活かしていただきたい。そう思っております。
ありがとうございました。


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